岡山県笠岡市にある「シェアアトリエ 海の校舎」にやってきた筆者兼フォトグラファーのスミレと筆者の従姉妹でシジュウナナデザイナーのアカリ。
今回は、海の校舎を運営する校長であり木工職人の南 智之さん(以下、南さん)にご案内頂いた。
木工家具職人の南さんと革製品職人の藤本 進司さん(以下、藤本さん)との出会いから共同で立ち上げた「シェアアトリエ 海の校舎」。廃校となった旧大島東小学校の木造校舎を活用しクリエイターのための創作活動の場として2021年に開業した。開業後は約3ヶ月ほどで入居者が決まっていき、2025年8月現在はほぼ満室でイベントも盛況という好調ぶりだが開業前は前例のない試みで苦労し、約3年かけて行政との交渉や手続きや資金調達を実現したという。
校舎の階段の手すりを眺めながら「この木造校舎の経年劣化は、ヴィンテージ家具やアンティーク好きにとってはたまらない、加工では作れない貴重なもの」と言う南さん。木工家具職人ならではの視点で、校舎の魅力を紹介してくれた。教室を周っていくと、様々な入居クリエイター※の現場を覗き見ることができた。最後に上がった校舎の屋上では視界いっぱいに広がる海を眺めることができ、穏やかな気持ちに包まれた。
※入居クリエイター…木工・布・革・アクセサリー・陶磁・絵画・デザインなど多岐にわたる
校長の南さん自らまかないランチを月に数回、入居クリエイターやお客さんにふるまっているそうで私たちの分もご用意いただいた。南さんはインドでの滞在が多かった時期もあったそうでスパイス料理が得意なんだとか。入居クリエイターの方から「南さんのカフェスペースに朝方立ち寄り、気づいたらお昼の時間になっていたこともある」という話を聞き、居心地の良い空間として愛されていることがよく伝わった。
年に一度開催されるクラフトマルシェ「うみの市」は、クリエイター作品販売やワークショップ、グルメブースを多数展開するイベント。第6回(2025年4月開催)は99の作り手、24のワークショップが参加し、2日間で2500人以上の来場があったという。会場は校舎内と校庭。雑貨・アパレル・家具・アクセサリーなどの物販に加え、パン、珈琲、クラフトビールなどの飲食ブースも出店しているそうで、観光としても楽しめる内容だ。
編集後記
海の校舎はクリエイターのためのシェアアトリエです。瀬戸内の穏やかな海のそばにありながら中心街から車で15分。145年の歴史ある小学校の木造校舎からは目の前の海を一望でき、ノスタルジー溢れる豊かな環境で日々クリエイターが制作をおこないます。交流から生まれる知識や技術のシェア。また定期的なワークショップやマルシェなどのオープンアトリエでお客様や地域とつながる場もつくります。
ビジュアル制作会社にカメラマン兼オウンドメディア運用担当として勤務後、クックパッド株式会社にてカメラマン兼ライターとオウンドメディア運用を担当。現在、独立しビジュアル撮影をメインに活動中。
絵描きの祖父と衣装デザイナーの祖母の影響で幼少期から絵とファッションへの憧れを抱く。その後某服飾専門学校でデザインを学び首席で卒業。ファッションデザイナーの経験を得て、現在はイラストレーター、グラフィックデザイナーと、ファッション性を落とし込んだ幅広いデザイン領域で活動中。