【前編】ここが東京?高月町の田園風景を守りたい × 石川農園

東京都内・最大の田園風景が広がる、八王子市高月町。

ここで代々農家を営んでいる「石川農園」の石川研さん(以下、研さん)に、高月町で農家を営むリアルと、魅力と、想いを語っていただいた。

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高月町の石川農園について

左から康子さん、研さん、耕平さん

石川農園は夫婦の研さんと康子さん、息子の耕平さんの3人で営んでいる。役割分担をしながら、八王子のブランド米である高月清流米「キヌヒカリ」や酒米づくり、八王子市の名産であるパッションフルーツと山葡萄づくり、石川農園で50年続くシクラメンを筆頭にした花の苗や野菜の苗、それらの品質を高めるために欠かせない土づくりまで行っているそうだ。

石川農園の挑戦

2023年に筆者が参加した酒米の稲刈り・はぜ掛け風景

石川農園では、米農家を辞める方から田んぼを引き継ぎ五倍に手を広げたり、「高尾の天狗」など地酒の材料になる酒米づくりを始めたり、パッションフルーツの取り組みを始め名産品にするべく尽力し、近年は山葡萄づくりを始めるなど、八王子市の活性化に向けて挑戦し続けている。

自然の脅威に苦労が絶えない

パッションフルーツの花

農業の苦労について伺うと「天候に左右されること」「野生動物に左右されること」と返ってきた。去年は風が強くパッションフルーツが倒れてダメになったり、花が病気になりその温室中の同じ花がダメになったり、農産物はイノシシ・シカ・ハクビシン・アライグマなどに食い漁られたりしたという。

農業と向き合い続けてきた原動力

米作業用のトラクターに乗る研さん

研さんは、自分が育った高月町の「生まれた頃から変わらない景色が好き」と言う。高月の河原の風景や山、空は広く、静かで、生物多様であるこの土地を守っていきたいと考えており、その郷土愛が八王子市・高月町の活性化に向けて取り組み続けた原動力となっているようだ。

後編では、農業の担い手を増やすための取り組みについて伺っていく。

今回のまとめ

【行った場所】

  • 石川農園

   東京都八王子市高月町400
   問い合わせは042-691-6431

【知ったこと】

  • 東京にいながら山と川と田園風景に出会える
  • 高月町にはイノシシ、シカ、ハクビシン、アライグマが出る
  • 農業は自然と野生動物に大きく左右される
  • 八王子市・高月町への郷土愛が農業を続けられる原動力

【トモダチになった人】

  • 研さん

 

おまけ

研さんおすすめの昼寝スポット

トラクターに乗せてもらったアカリ氏と見守る研さん

トラクターを操縦するアカリ氏

石川農園のペット、山羊の「パッション」君

石川農園

「石川農園」は都内随一の広さを誇る水田が広がる高月町で、花苗や米を栽培しています。多摩川と秋川の合流点の南西の丘陵地帯の高月町に位置したこの地域では、水田があることによって、ごく限られた地域に分布する貴重な植物が見られるなど、豊かな自然の姿を残しています。

https://ishikawa-farm.tokyo/

Photo & Writer by スミレ

東京生まれ・東京育ち、フリーランスのカメラマン兼ライター。

ビジュアル制作会社にカメラマン兼オウンドメディア運用担当として勤務後、クックパッド株式会社にてカメラマン兼ライターとオウンドメディア運用を担当。現在、独立しビジュアル撮影をメインに活動中。

Illustration by アカリ

47都道府県Tシャツのデザイナー。

絵描きの祖父と衣装デザイナーの祖母の影響で幼少期から絵とファッションへの憧れを抱く。その後某服飾専門学校でデザインを学び首席で卒業。ファッションデザイナーの経験を得て、現在はイラストレーター、グラフィックデザイナーと、ファッション性を落とし込んだ幅広いデザイン領域で活動中。