2024.07.01 東京都 #農業

【後編】東京農業が受け継がれていくために × 石川農園

前回に引き続き、東京都内・最大の田園風景が広がる、八王子市高月町で代々農家を営む「石川農園」の石川研さん(以下、研さん)に、今回は農業の担い手を増やすための取り組みについて伺った。

▶︎ 前編の記事はこちら

東京農業を増やす取り組み

全国的に農業従事者の減少・高齢化が進行している農業だが、八王子市では新たな農業の担い手を育成するための「東京農業アカデミー八王子研修農場」をつくり、2年間で農業全般に関わる座学研修・実習研修を実施しており、研さんも研修に石川農園の田んぼを貸したり教えたりとサポートに尽力しているそう。

今年4月から新規就農した中村さん

MEDERUファームの中村さん

研さんに案内していただく中で出会った、八王子市で新規就農した中村さん。東京農業アカデミー八王子研修農場で2年間の研修を経て、今年4月からパッションフルーツを育てているという。風の強い土地柄を踏まえて、今は風の向きに逆らわないような対策をパッションフルーツに施しているそうで、すでに頼もしい。「パッションフルーツの美味しさを広めたい」という想いで取り組んでいるそうだ。

農業が受け継がれていくためには

農業に必要不可欠なのは農地※だが「農地は個人のものではなく国の財産」と言う研さん。そのため、勝手に売買や譲渡したりすることは出来ないそうだが、農地バンク制度が設置されてから、農業は昔より始めやすくなっているそうだ。また、農地は何もしないと山林化し農産物を耕すことができない「非農地」となってしまうため、農業が受け継がれていくためには農作物を作り続ける必要があるのだそう。

※農地とは「耕作の目的に提供される土地」とされている

研さんの想い

「八王子市・高月町を皆んなで守っていかないといけないんだという意識を持って欲しい」と語る研さん。農業に参加したり、田んぼがあることを活かした取り組みをしたりして、農家をやってる人たちが続いていけるように皆んなで取り組みたいと日々考え行動しているそう。「やり続けることで人が集まってくるし、自然相手に面白いと思えれば継続できる」と身をもって教えてくれた。

研さんにお話を伺っていく中で、すれ違う方々が研さんに挨拶をしていた様子から、畑だけでなく町の人との交流も大切にし、向き合い続けてきたことが伝わった。

今回のまとめ

【行った場所】

  • 石川農園

   東京都八王子市高月町400
   問い合わせは042-691-6431

【知ったこと】

  • 八王子市には農業の担い手を育成する「東京農業アカデミー八王子研修農場」がある
  • 八王子市の新規就農者が少しずつ増えている
  • 農地は個人のものではなく国の財産
  • 研さんは皆から慕われる、名物的なキャラクター

【トモダチになった人】

  • 研さん
  • 中村さん

 

おまけ

石川農園の事務所前で撮らせてもらった研さん

研さんが撮ってくれた筆者(左)とアカリ氏(右)のツーショット

田園風景を背景に自撮りする我々

石川農園

「石川農園」は都内随一の広さを誇る水田が広がる高月町で、花苗や米を栽培しています。多摩川と秋川の合流点の南西の丘陵地帯の高月町に位置したこの地域では、水田があることによって、ごく限られた地域に分布する貴重な植物が見られるなど、豊かな自然の姿を残しています。

https://ishikawa-farm.tokyo/

Photo & Writer by スミレ

東京生まれ・東京育ち、フリーランスのカメラマン兼ライター。

ビジュアル制作会社にカメラマン兼オウンドメディア運用担当として勤務後、クックパッド株式会社にてカメラマン兼ライターとオウンドメディア運用を担当。現在、独立しビジュアル撮影をメインに活動中。

Illustration by アカリ

47都道府県Tシャツのデザイナー。

絵描きの祖父と衣装デザイナーの祖母の影響で幼少期から絵とファッションへの憧れを抱く。その後某服飾専門学校でデザインを学び首席で卒業。ファッションデザイナーの経験を得て、現在はイラストレーター、グラフィックデザイナーと、ファッション性を落とし込んだ幅広いデザイン領域で活動中。