京都にやってきた筆者と、筆者の従姉妹でシジュウナナデザイナーのアカリ。
以前にも観光で訪れてはいたものの「もっとディープな場所に行ってみたい」そんな思いで、京都で代々続く「京都徳力版画館」にやってきた。
今回は、京都徳力版画館(工芸はなせ)の石島克哉(以下、石島さん)氏にご案内いただいた。
※工芸はなせとは自然を糧に物創りに励む工芸衆のことで、日本の素材を活かした物づくりをおこなっている。
まずは3階にある「古版画資料室」へ。京版画の第一人者、十二代目・徳力富吉郎氏(以下、徳力さん)の貴重な版画コレクションやご本人の作品や浮世絵まで多数展示されている。中でも目を惹くのが、徳力さん監修のもと再復元された国宝「孔雀明王像」の木版画。1300回の摺り(すり)で再現したという、凄まじい手数と繊細な技術に圧倒された。
今度は2階へ降り、ずらっと並ぶさまざまな雑貨品や工芸品を見てまわる。ひときわ目立っていたのが、版画イラストがあしらわれた「おはこ」。看板商品だというそのカラフルでインパクトあるデザインに目を奪われた。おはこの中には金平糖、チョコレートといった食品から、折り紙、メモ帳、ハンカチなど、30種類ほどの豊富なラインナップがあり、お土産にぴったり。これを家族や友人に渡せば「よくぞハイセンスな土産を持ってきた」と褒められるに違いない…と気づけば両手に抱えていた。
京都徳力版画館の階段の壁にずらりと並ぶ展示品の中のひとつ「散華」。仏事で撒かれる蓮の花びらをかたどった紙を指し、参拝者への記念品としても配られる品だそう。小さな美術品として収集するコレクターもいるんだとか。数々の芸術家や著名な漫画家やイラストレーターとのコラボレーション作品が見られた。
なんと徳力さんの住居にも入れていただいた。至るところに粋な装飾がされており、見るたびに新しい発見が生まれる。上の写真はほんの一部で、ふすまの取っ手が猫の形をした陶器だったり、上のほうにコウモリの形の装飾がさりげなく施されていたりと、遊び心あふれる素晴らしい空間だった。
後編では、今回ご案内いただいた石島さんご自身の、徳力版画館との出会いや働くまでに至った経緯を伺っていく。
編集後記
左から、筆者・アカリ・石島さん
浮世絵の数々
可愛い醤油瓶!思わず購入
ふすまにあった素敵な模様
特別に見せていただいた美しい秘蔵コレクション
徳力版画館3階「古版画資料室」(京都徳力版画館 提供写真)
聖護院 黒色の間(京都徳力版画館 提供写真)
京都徳力版画館
【開館時間】10:00~16:00 ※予約制
【休館日】水・日曜日・祝日
【入館料】無料
【電話】075-761-0374
【アクセス】市バス「熊野神社前」バス停から徒歩約6分、京阪本線「神宮丸太町駅」から徒歩約5分
【公式ホームページ】https://www.hanase.co.jp/
石島克哉 1970年生まれ 54歳 群馬県出身
出身高:桐生高校 硬式野球部 / 明治大学 硬式野球部 1995年:株式会社伊勢丹入社 伊勢丹新宿本店・日本橋三越本店・銀座店・ジェイアール京都伊勢丹 リビング担当 商品担当バイヤー・販売マネージャー歴任
2019年:株式会社三越伊勢丹退職
2019年:株式会社徳力版画館勤務
縁あって、ジェイアール京都伊勢丹勤務時に大変お世話になった、京都徳力版画館にて第二の人生スタート。歴史ある会社で、企画からモノづくり、そして販売まで自分の強みを生かせるやりがいのある仕事に巡り会え、毎日楽しく仕事をしています。
ビジュアル制作会社にカメラマン兼オウンドメディア運用担当として勤務後、クックパッド株式会社にてカメラマン兼ライターとオウンドメディア運用を担当。現在、独立しビジュアル撮影をメインに活動中。
絵描きの祖父と衣装デザイナーの祖母の影響で幼少期から絵とファッションへの憧れを抱く。その後某服飾専門学校でデザインを学び首席で卒業。ファッションデザイナーの経験を得て、現在はイラストレーター、グラフィックデザイナーと、ファッション性を落とし込んだ幅広いデザイン領域で活動中。