【後編】江戸切子の工房でみた、職人の技。 | 清水硝子

株式会社清水硝子(以下、清水硝子)を訪問させて頂いた我々は、ショールームで100年作り続けてきた江戸切子の軌跡を見て、聞いて、実際に手にとらせて頂き、その魅力に惹かれていった。

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今回は、実際に江戸切子の工房へ入らせて頂き、その制作過程を目の当たりにした。

はじめにやること

まずはじめに、カットする前の生地(ガラス)を問題ないかチェックし、下書きを引く「割り出し」から、下書きを引く「割付け」を行う。江戸切子の完成系と比べると分かるが、カットする目測となる線のみの下書きとなっている。ここからあとは職人の経験則や感覚であの精巧な紋様が刻まれるというから驚きだ。

何度も何度も削っていく

次の工程では、円盤型をしたダイヤモンドホイールで大枠となる線を「粗摺り(あらずり)」していく。それが出来たら「三番掛け」というザラつきなどを滑らかに整える作業が行われ、その後に紋様の細かいカットが加えられていくようだ。そして最後に、磨きがかけられ完成となる。

多様なカットの仕方がある

カットの作業に見入っていると、職人の方が「粗摺り」の際にダイヤモンドホイールに一度当てた時に入るカットの大きさを見せてくれた。一度当てるだけで深く削れるものだと感じたが、それは粗摺り用に深く・速く削るためのダイヤモンドホイールを使用しているからだという。ダイヤモンドホイールはカットの段階ごとに用途のものに付け替えていくそうで、大量に工房の壁に並べられていた。

笑顔で見送ってくれた

最後に、清水硝子の社長である清水三千代氏が、ジュウナナTシャツを着てくれたのがとても嬉しかったので掲載させて頂く。


この機会を繋いでいただきご案内いただいた清水伸彦氏、丁寧に清水硝子の歴史をお教えくださった清水三千代氏、誠にありがとうございました。


紹介しきれなかった江戸切子の作品の数々が沢山あるので、清水硝子の公式サイトを是非チェックして欲しい。

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今回のまとめ

【行った場所】

  • 株式会社 清水硝子
〒124-0006  東京都葛飾区堀切4-64-7 ▶︎ MAP
※直接商品をご覧になりたい方は、お手数ですがご一報いただきまして確認の上でお運びくださいとのこと

【知ったこと】

  • 江戸切子は全工程を人の手のみで作られている
  • 下書きから完成の変身ぐあいが凄い
  • 清水三千代氏はジュウナナTシャツがよく似合う

【トモダチになった人】

  • 清水硝子 社長 清水三千代氏

株式会社 清水硝子

大正12(1923)年創業の当社は、江戸切子工房の中でも長い経歴となる戦前に創業した一社です。
工部省品川硝子製造所の伝習生・今村仁之助に師事した初代・清水直次郎の技と物づくりへの思いは、今日の職人たちへ受け継がれています。

職人が一つ一つ心を込めて作る、当社の江戸切子。どうぞ手にとり、お使いになってみてください

https://shimizuglass.com/

清水伸彦

下町葛飾区の江戸切子職人の家に生まれる。大学時代から独学で写真を学び始める。在学中の2012年日本写真協会主催の『公募による写真展』においてヤングフォトグラファー賞を受賞。2019年にフリーフォトグラファーとして独立。同年2019年ビートたけし氏が名誉顧問を務める。『えどまち たいとう芸楽祭』に出演するチーム東京アフロの専属フォトグラファーに任命。その後飲食物や企業の商品・広告写真などを中心に撮影しつつ。アーティストの宣材撮影や大型音楽フェスなどの撮影も行う。写真業と同時に東京浅草にてフリーの人力俥夫としても活動。提携店と協力し「人力車観光×撮影体験」という新しい観光スタイルを提供している。近年では定期コラムや料理レシピの執筆活動や撮影講座などの講師としても活動をしている。

proff × 清水伸彦

Photo & Writer by スミレ

東京生まれ・東京育ち、フリーランスのカメラマン兼ライター。

ビジュアル制作会社にカメラマン兼オウンドメディア運用担当として勤務後、クックパッド株式会社にてカメラマン兼ライターとオウンドメディア運用を担当。現在、独立しビジュアル撮影をメインに活動中。

Illustration by アカリ

47都道府県Tシャツのデザイナー。

絵描きの祖父と衣装デザイナーの祖母の影響で幼少期から絵とファッションへの憧れを抱く。その後某服飾専門学校でデザインを学び首席で卒業。ファッションデザイナーの経験を得て、現在はイラストレーター、グラフィックデザイナーと、ファッション性を落とし込んだ幅広いデザイン領域で活動中。