【後編】三越伊勢丹バイヤーから一転、第二の人生へ。 × 京都徳力版画館

前回、京都の代々続く京都徳力版画館を案内してくれた石島克哉(以下、石島さん)とトモダチになった私たちは、石島さんご自身についてや、京都徳力版画館への想いをきいた。

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元伊勢丹のバイヤー担当だった

徳力版画館3階「古版画資料室」

石島さんは最初から京都徳力版画館にいたのではなく、元々は伊勢丹新宿本店のリビング食器系のバイヤー※を10年ほど担当されていたという。その後、ジェイアール京都伊勢丹へ出向となり、そこで京都徳力版画館の13代目当主・徳力道隆氏にとてもお世話になったそうだ。石島さんは「伊勢丹新宿本店に戻ってからもとても良くしてもらった」と嬉しそうに語った。

※バイヤーとは主に「商品の買い付けを行う職種」で情報収集力や分析力・商品知識・交渉術などの能力が必須

「恩返ししたい」想いから働くことを決意

50歳を前に人生を考えた石島さんは、今まで続けてきたことではなく新しいことにチャレンジしたいと考えて、東京で新しい就職先も決まったそうだ。そんな時に、徳力道隆氏が体調を崩した事を知り、そこへ会いに行った石島さんは「今までのご恩を返したい」と決まっていた就職先に御断りをし、京都徳力版画館で働くことを決意したという。

いまやっていること

京都徳力版画館の人気商品「おはこ」

いま石島さんは京都徳力版画館の主に企画営業を担当しているという。詳しく聞いてみると、新商品の企画、ものづくり、営業、イベント出店や販売まで、なんでもやっているスーパーマンだった。これまで、「旅の思い出箱」としてお菓子を入れた「おはこ※」をホテルや旅館の部屋置きにしたり、招き猫の商品を寅年に合わせて「トラの招き猫」を作り大好評だったり(かわいい!)、今まで参加していなかったポップアップにも進出したりと数々の企画を実現してきたそうだ。

※「おはこ」は版画により多彩な絵柄があしらわれた小さな紙箱のこと

これから挑戦したいこと

これからやりたいことについて伺うと、海外でも版画を広めたい、と石島さん。京都の文化と版画のテイストを掛け合わせた表現をしていきたいそうだ。すでに色々と構想も練っているそうで「版画の良さはまだまだ世に出ていない」と、石島さんの目はやる気に満ちていた。

今回のまとめ

【行った場所】

  • 京都徳力版画館

【知ったこと】

  • 石島さんは元三越伊勢丹のベテランバイヤー
  • 伊勢丹バイヤー時代に13代目当主・徳力道隆氏にはとてもお世話になった
  • 版画を世に広めることで恩返しをしたい
  • 商品開発、販路の開拓、出店に販売までこなすスーパーマン

【トモダチになった人】

  • 石島克哉さん

 

おまけ

寅年に合わせた招き猫

左から、筆者・アカリ・石島さん

自撮り写真を見て盛り上がる3人

石島さんおすすめのお店の親子丼(美味しい!!)

 

京都徳力版画館

【開館時間】10:00~16:00 ※予約制

【休館日】水・日曜日・祝日

【入館料】無料

【電話】075-761-0374

【アクセス】市バス「熊野神社前」バス停から徒歩約6分、京阪本線「神宮丸太町駅」から徒歩約5分

【公式ホームページ】https://www.hanase.co.jp/

石島克哉 1970年生まれ 54歳 群馬県出身


出身高:桐生高校 硬式野球部 / 明治大学 硬式野球部 1995年:株式会社伊勢丹入社 伊勢丹新宿本店・日本橋三越本店・銀座店・ジェイアール京都伊勢丹 リビング担当 商品担当バイヤー・販売マネージャー歴任
2019年:株式会社三越伊勢丹退職

2019年:株式会社徳力版画館勤務

 

縁あって、ジェイアール京都伊勢丹勤務時に大変お世話になった、京都徳力版画館にて第二の人生スタート。歴史ある会社で、企画からモノづくり、そして販売まで自分の強みを生かせるやりがいのある仕事に巡り会え、毎日楽しく仕事をしています。

Photo & Writer by スミレ

東京生まれ・東京育ち、フリーランスのカメラマン兼ライター。

ビジュアル制作会社にカメラマン兼オウンドメディア運用担当として勤務後、クックパッド株式会社にてカメラマン兼ライターとオウンドメディア運用を担当。現在、独立しビジュアル撮影をメインに活動中。

Illustration by アカリ

47都道府県Tシャツのデザイナー。

絵描きの祖父と衣装デザイナーの祖母の影響で幼少期から絵とファッションへの憧れを抱く。その後某服飾専門学校でデザインを学び首席で卒業。ファッションデザイナーの経験を得て、現在はイラストレーター、グラフィックデザイナーと、ファッション性を落とし込んだ幅広いデザイン領域で活動中。